相続放棄の手続期間

相続放棄

 相続放棄は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に、申述書を提出します。

 故人が浜松市の方であれば、中央地区のヤマダ電機前にある家庭裁判所に持参すればよいですし、遠方にお住まいであった場合は、管轄家庭裁判所に郵送します。

 家庭裁判所に持参する場合、申述書のコピーを提出すれば、受付印を押してくれます。郵送の場合も、コピー及び返信用封筒を同封すれば、受付印を押して返信してくれます。

 司法書士は、弁護士と異なり、相続放棄の申述の代理をすることはできず、あくまでも書類作成を代行する立場にとどまります。そのため、依頼者に代わって書類を作成し、家庭裁判所に提出までは行いますが、その後の家庭裁判所からの連絡は、直接依頼者にくることとなります。

 当事務所で申述書を作成する際は、申述書の提出後も、必ず依頼者に連絡をして、家庭裁判所から連絡があったかどうかを確認しています。書類作成の代行のみにとどまるといっても、やはり、きちんと相続放棄が受理されたかどうかを確認すべき責任があると考えているからです。

 これまで、何件も相続放棄の申述のお手伝いをしてきましたが、大抵は、申述書を家庭裁判所に提出後、1~2週間程度で、申述が受理されることが通常でした。しかし、最近、非常に時間のかかった事例があったのでご紹介いたします。

 

一般的な相続放棄の手続期間(家庭裁判所に書類を提出してからどのくらいで受理されるか)

 通常、申述書を家庭裁判所に提出すると、2週間程度で、家庭裁判所から封書が届きます。

 早ければ1週間の場合もありますし、遅くとも1か月以内に届きます。

 この家庭裁判所からの封書による連絡は、2パターンあります。

 

  1. 相続放棄の申述がされたことについての確認書がまず届く場合
  2. 相続放棄の申述が受理されたことの通知書(『相続放棄申述受理通知書』といいます)が届く場合

 

 1の確認書は、「相続放棄の申述がされまたしたが、間違いありませんか?」というような内容の書類です。間違いなければ、質問欄にチェックなどをし、署名押印して返信します。

 返信すると1、2週間で、『相続放棄申述受理通知書』という手続が完了した旨を証する書面が届きます。

 2の場合は、1の確認書は届くことなく、いきなり『相続放棄申述受理通知書』が届きます。最近は、1の確認書がなく、こちらの通知書がすぐ届くことが多いような気がいたします。

 したがって、相続放棄の手続期間は、以下のとおりとなることが一般的です。

 

一般的な相続放棄の手続期間

1 相続放棄申述書の提出→【2週間】→確認書→【2週間】→申述受理通知書(手続完了)

2 相続放棄申述書の提出→【2週間】→申述受理通知書(手続完了)

 

手続完了まで2か月以上かかった事例

 最近、ある相続放棄の依頼を受け、遠方の管轄家庭裁判所に申述書を提出したところ、2か月以上かかった事例がありました。

 6月初旬に相談を受け、6月中旬には、家庭裁判所の相続放棄の申述書を提出いたしました。

 この事例は、依頼者の元に、遠方の市町村の資産税課から、固定資産税の納付を依頼する通知書がきたことから始まります。

 通知書には、依頼者の何世代も前の被相続人の不動産があり、その相続人が依頼者を含め、その時点で数十人以上いる旨が記されていました。依頼者は、その人物のことを全く知らず、通知に驚き、当事務所に相続放棄の依頼に来られたのです。

 相続人の数は多いものの、いつもどおり相続放棄の申述書を作成しました。

 依頼者には、「通常は、2週間程度で裁判所から封書が届きます。今回、相続人の数が多いため、時間はかかるかもしれませんが、これまで最長でも1か月程度で届いたため、今回もそのくらいで届くかと思います。」と説明したのですが、2週間経ち、1か月経っても、裁判所から何の連絡もありません。

 相続人の数が膨大であるため、時間がかかることは想定していましたが、念のため、管轄裁判所に確認したところ、やはり数が多く、1件1件処理することは裁判所の事務手続き上難しく、ある程度の数をまとめて処理するため時間がかかるとのことでした。

 結局、依頼者の元に、『相続放棄申述受理通知書』が届いたのは、2か月以上経った、つい先日のことでした。

 相続放棄の申述は、各家庭裁判所で、被相続人毎に担当の書記官が付き、最終的に裁判官が判断していきます。今回のように、相続人の数が膨大な場合は、裁判所の処理もマンパワーによるため、相当な時間がかかることもあります。

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