【司法書士】依頼誘致・不当誘致の禁止【浜松市】
今般、日本司法書士連合会から、画像のチラシを用いた注意喚起がされました。
司法書士関係法令上では、依頼誘致の禁止、不当誘致の禁止が規定されています。
浜松市においても、相続業務を請け負うある種の団体と提携し、相続登記等の依頼を得る代わりに、その団体に何かしらの名目で対価を支払っているという話を聞くことがあります。
おそらく、浜松市だけに限った話ではなく、全国的に見ても、そうした依頼誘致や不当誘致行為は増えているのではないかと推察されます。過去には、いわゆる債務整理事案において、紹介料という名目で対価を支払ったり、中にはまた別の論点になりますが、非司法書士と連携して仕事を受注していた事例もありました。
当事務所でも、稀に商品券等のお礼をご持参いただく依頼者の方もいらっしゃいます。依頼誘致の問題とは意味合いは異なりますが、商品券等はいわば金員と同一である以上、これまで全てお断りしてまいりました。
お仕事の対価は、業務の報酬でご請求しているわけですから、そうしたお気遣いは大変ありがたく感じますが、それ以上のお心遣いは無用です。
依頼誘致、不当誘致の問題点は、倫理的な観点に留まらずに、依頼者に実際の財産的被害を被らせる可能性がある点が挙げられます。つまり、いかなる名目であれバックマージンを支払うことにより、司法書士の利益額は減少しますので、その減少分を依頼者の報酬に上乗せする可能性が挙げられます。実際に、そうするかどうかは問題ではなく、その可能性が生じうる状況を現出させることが問題なのです。
日本司法書士連合会の注意喚起は、あくまで注意であり、何か強制力を伴うものではありません。したがって、依頼誘致、不当誘致を撲滅させるには、結局のところ各司法書士個々人の姿勢次第です。しかし、こうしたチラシを用いて周知徹底することは、一歩前進かと思います。