商業登記画像

商業登記の意義

 会社の登記事項証明書を取り寄せると、そこには会社の商号はもちろん、本店、取締役の氏名等が記載されています。登記事項証明書は誰でも簡単に取得でき、その会社の概略を知ることができます。取締役又は代表取締役の住所も記載されていることから、昨今の個人情報保護の観点からすると違和感を覚えないでもないですが、これは、商業登記においては、その会社と取引する人等の第三者に不測の損害を与えないことが第一義の目的とされているためです。

 商法においては、会社は登記をしない限り、善意の第三者に対抗できないという規定がありますが、仮に本来退任している取締役の退任登記をせずに、その取締役が第三者との間で取締役であると偽って損害を与えた場合、会社はその第三者には対抗できません。つまり、商業登記は会社・法人等の概要について、広く一般に公示することで第三者の保護を図り、円滑な社会運営に大きく資するものであるということができるでしょう。

 従って、商業登記においては、登記は義務であり、不動産登記(権利の登記)のように、してもしなくてもよいものではありません。不動産登記においては登記はあくまでも対抗力を得るためのものですから、登記をしないでいて損害を受けるのは本人に過ぎず、登記は義務とされていません。しかし、商業登記においては、第三者の保護を図る目的もあり、登記事項に変更が生じた場合、変更登記は必ずしなくてはいけないのが原則です。仮に、変更登記をしないで放置した場合は、過料が課されます。

事例別手続きのご案内

 会社の登記をご希望の場合は、お気軽にお問合せ下さい。下記は、依頼の多い事例の費用目安です。ご参考にしてください。

目次

・「会社を設立したい」

・「取締役を変更したい」

・「目的」を変更したい

・「本店を変更したい」/同じ法務局の管轄内

・「本店を変更した」/他県など、他の法務局の管轄

・「支店を設置したい」

・「支店を廃止又は移転したい」

・「会社を解散したい」

・「会社を継続したい」

・「資本金を増額したい」

Q「取締役を変更したい」

 株式会社において、役員とは取締役、監査役、会計参与をいいます(会社法329条1項)この他にも機関として、会計監査人を設置することができます。

 役員等の変更があった場合は、2週間以内に変更の登記をしなければなりません。また、役員等の任期満了、辞任、死亡等によって欠員が生じた場合は、新たな役員等を選任しなければなりません。

 登記をすることを怠った場合や欠員が生じたにも関わらず選任することを怠った場合は、過料に処されます(会社法976条一、二十二)

 株式会社では、自由に役員を設置することができる訳ではありません。株式会社で、当然に設置されるのは、取締役、代表取締役のみであり、他の監査役、取締役会等は、それら機関を置く旨を株主総会で決議し、かつ、定款に記載することで設置することが可能になります。

 また、機関設計も会社法で規定されており、例えば、取締役1名の会社に監査役会を設置することはできませんし、反対に取締役会を置いたにも関わらず監査役を設置しないことは許されません(非公開会社では会計参与でも可)

 さらに、役員等の資格についても、法定されていますし、その選任方法も同様です。

 このように会社法は、株式会社においては、多くの規定が強行規定となっており、それらに違反した場合は、過料に処せられますので注意が必要です(会社法976条)

 役員の選解任、辞任、死亡、そして機関設計を変更する場合などは、是非当事務所にご相談下さい。

取締役変更登記の費用

区分 概要 金額
実費 収入印紙

10,000円

資本金が1億以上は3万円

登記事項確認 1通あたり334円
登記事項証明書 1通あたり600円
印鑑証明書等※1 350円

報酬

税込

登記申請 16,500円
株主総会議事録等 11,000円
定款作成※2 22,000円
簡易文書作成 2,200円
印鑑届作成 8,800円
登記事項証明書取得 1通あたり1,100円

※1再任の場合等、印鑑証明書が不要な場合があります。

※2M&A等で、定款をあらたに作成する必要がある場合など

取締役会非設置会社における取締役等の選任方法及び実印押印書面

取締役の選任
選任方法 株主総会決議
選任を証する書面 株主総会議事録
代表取締役の選定
選定方法

①各自代表(原則)

②株主総会決議③定款④定款に基づく取締役の互選

選定を証する書面

①株主総会議事録

②株主総会議事録③定款又は株主総会議事録※1④定款と株主総会議事録

※1定款に基づき代表取締役を選定する場合は、定款そのものよりも、定款変更を決議した株主総会議事録を添付するのが一般的です。

区分 印鑑証明書を添付する書面

取締役の就任(選任)

(取締役の実在性を担保)

取締役の就任承諾書

再任の場合は不要

(規則第61条4項)

代表取締役の選定

(代表者変更の適法性を担保)

①株主総会議事録(各自代表)

②株主総会議事録(株主総会決議)

③株主総会議事録(定款)

④取締役の互選書(定款に基づく取締役の互選)

従前の代表取締役が権限をもって登記所届出印を押印している場合は不要

(規則第61条6項1号2号)

取締役会設置会社における取締役等の選任方法及び実印押印書面

取締役の選任
選任方法 株主総会決議
選任を証する書面 株主総会議事録
代表取締役の選定
選定方法 取締役会決議
選定を証する書面 取締役会議事録
区分 印鑑証明書を添付する書面

代表取締役の就任(選定)

(取締役の実在性を担保)

代表取締役の就任承諾書

再任の場合は不要

(規則第61条4項、5項)

代表取締役の選定

(代表者変更の適法性を担保)

取締役会議事録

従前の代表取締役が権限をもって登記所届出印を押印している場合は不要

(規則第61条6項3号)

役員変更登記における印鑑証明書添付の意義

役員変更登記においては、以下の場合に実印での押印が求められます。

1 就任承諾に係る書面

2 代表取締役を選定した議事録への押印

このうち、1については、取締役会非設置会社においては、取締役の就任承諾において求められるのに対し、取締役会設置会社においては、取締役就任時には求められず、代表取締役としての就任承諾において求められます。

1の就任承諾書を求める意義は、代表取締役の実在性や真実関与性を担保するためと解されています。そのため、取締役会非設置会社においては、取締役が各自代表するのが原則とされるため、取締役就任時に求められるのに対し、取締役会設置会社においては、取締役会で代表取締役を選定するために、代表取締役選定に係る就任承諾書に印鑑証明書の添付が必要とされています。

 

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Q「目的を変更したい

 目的を変更するには、株主総会の特別決議が必要となります。特別決議の要件は、以下のとおりです。

株主総会決議(会社法第309条)

1普通決議(役員変更等)

 議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数

2特別決議(定款の変更、組織再編等)

 議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数

 株式会社においては、1の普通決議が原則ですが、重要な行為に関する決議については、2の特別決議が要求されます。会社の目的は、定款記載事項であり、定款は会社の憲法とでもいうべき会社の基幹となるものであるため、それを変更するには、特別決議によらなければなりません。

 また、目的は、会社の登記事項であるため、変更した場合には、変更登記を変更した日から2週間以内に申請しなければなりません。以下は、会社の登記事項の主なもの一覧です。

 

登記事項(会社法第911条第3項)

定款変更の必要性ありの場合〇

  • 商号(〇)
  • 目的(〇)
  • 本店所在地(△)
  • 存続期間の定め又は解散の事由の定めがある場合はその定め(〇)
  • 資本金の額
  • 発行可能株式(〇)
  • 発行済株式数及び種類
  • 株券発行会社の場合はその旨(〇)
  • 役員の氏名等

本店所在地の変更に際する定款変更の必要性の有無については、こちらをご覧ください。

目的変更登記の費用

区分 概要 金額
実費 収入印紙 30,000円
登記事項確認 1通あたり334円
登記事項証明書 1通あたり600円

報酬

税込

登記申請 33,000円
株主総会議事録 11,000円
定款変更 11,000円~
登記事項証明書取得 1通あたり1,100円

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Q「本店を変更したい(管轄内)」

 管轄内の移転とは、同じ法務局の管轄内で移転をするという意味です。例えば、同じ静岡県であっても、浜松市から静岡市に移転する場合は、静岡市内の商業登記の管轄は、静岡法務局本局となるため、管轄外移転となります。一方、浜松市から磐田市に移転するのであれば、市外への移転となりますが、磐田市内の商業登記の管轄は、同じ浜松法務局となるため、管轄内移転となります。

 定款には、通常、具体的所在場所を記載しません。定款に記載する必要があるのは、所在地、つまり、浜松市であれば「静岡県浜松市」、東京都であれば「東京都杉並区」などです。もちろん、〇市〇町〇番地まで記載することもできますが、後日、手続がより煩雑になることもあるため、お勧めはしません。

 したがって、定款の記載が、静岡県浜松市となっており、浜松市内で本店を移転するのであれば、株主総会による定款変更決議は必要ありません。しかし、浜松市から磐田市へ移転する場合は、定款変更決議が必要となります。

本店移転(管轄内)登記の費用

区分 概要 金額
実費 収入印紙 30,000円
登記事項確認 1通あたり334円
登記事項証明書 1通あたり600円

報酬

税込

登記申請 22,000円
取締役決定書(会議事録) 2,200円~
株主総会議事録※1 11,000円
定款変更※1

11,000円~
登記事項証明書取得 1通あたり1,100円

※1定款記載が浜松市で、磐田市に移転する場合などは、定款変更決議が必要

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Q「本店を移転したい(管轄外)」

 本店を管轄外に移転する場合は、もともとの管轄の法務局及び移転先の管轄法務局に申請をする必要があります。この場合、別々に申請をするのではなく、移転先の管轄法務局への申請は、もともとの管轄の法務局を経由して申請します。

 なお、管轄外移転においては、株主総会による定款変更決議が必ず必要となります。また、あらたに移転先の法務局で代表印を届出し、印鑑カードの交付申請を行う必要があります。旧印鑑カードはもともとの管轄法務局に返却します。

本店移転(管轄外)登記の費用

区分 概要 金額
実費 収入印紙 60,000円
登記事項確認 1通あたり334円
登記事項証明書 1通あたり600円

報酬

税込

登記申請 66,000円
株主総会議事録 11,000円
取締役決定書(会議事録) 2,200円~
定款変更

11,000円~
印鑑届 8,800円
登記事項証明書取得 1通あたり1,100円

支店ある場合は、支店毎に5,500円加算

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Q「支店を設置したい」

 会社法第930条において、会社は、支店を設置した際には、その支店が本店の管轄法務局の管轄内にある場合を除き、支店の登記を申請しなければならないとされています。

 実務においては、金融機関等から融資を受ける際に、その金融機関の営業可能エリア内に支店を登記をすることが多くみられます。

支店設置登記の費用

区分 概要 金額
実費 収入印紙 69,300円/支店1か所
登記事項確認 1通あたり334円
登記事項証明書 1通あたり600円

報酬

税込

登記申請 33,000円
取締役決定書(会議事録) 2,200円~
登記事項証明書取得 1通あたり1,100円

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Q「支店を廃止、移転したい」

支店廃止登記の費用

 

区分 概要 金額
実費 収入印紙

30,000円

+9,300円/支店1か所

登記事項確認 1通あたり334円
登記事項証明書 1通あたり600円

報酬

税込

登記申請 33,000円
取締役決定書(会議事録) 2,200円~
登記事項証明書取得 1通あたり1,100円

支店移転登記の費用

区分 概要 金額
実費 収入印紙※1

30,000円

+9,300円/支店1か所

登記事項確認 1通あたり334円
登記事項証明書 1通あたり600円

報酬

税込

登記申請 55,000円
取締役決定書(会議事録) 2,200円~
登記事項証明書取得 1通あたり1,100円

※1例)浜松本店、支店(静岡)を沼津に移転する場合、48,600円

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Q「会社を解散したい」

 会社は以下の事由で解散します。

解散の事由(会社法第471条)

  • 定款で定めた存続期間満了
  • 定款で定めた解散事由発生
  • 株主総会特別決議
  • 合併における消滅会社
  • 破産手続開始決定
  • 解散を命ずる裁判

解散の効果(会社法第476条)

会社が解散すると、会社は清算活動に入ります。解散して会社が無くなるわけではなく、清算の目的の範囲で権利能力を有して存続します。

 解散をした会社では、取締役ではなく、清算人が清算業務を行います。したがって、会社は清算人を選任しなければなりません。清算人の選任方法は以下のとおりです。

清算人の選任方法(会社法第478条第1項2項)

次に掲げる者が清算人となります

  • 取締役
  • 定款で定めた者
  • 株主総会の決議(普通決議)
  • 上記により清算人になる者がいない場合は、裁判所が定める

会社解散登記の費用

区分 概要 金額
実費 収入印紙※1 39,000円
登記事項確認 1通あたり334円
登記事項証明書 1通あたり600円

報酬

税込

登記申請 55,000円
株主総会議事録 11,000円
定款作成※2 22,000円
印鑑届 8,800円
登記事項証明書取得 1通あたり1,100円

※1解散登記及び清算人及び代表清算人就任登記

※2定款がない場合

清算結了登記の費用

 「結了」とは、終了という意味です。清算業務が終了すると、その旨を登記し、一般に公示しなければなりません。清算結了の登記をもって、会社の法人格は消滅します。

清算業務

  • 財産目録の作成(会社法第492条)
  • 貸借対照表の作成(会社法第494条)
  • 債権者への公告及び催告(会社法第499条)
  • 残余財産の分配(会社法第504条)

 具体的には、不動産等の会社の財産を換価し、債務があれば債権者へ弁済し、また債権があればそれを取り立て、最終的に財産が余った場合には、株主に分配します。

 清算業務が全て完了すると、清算人は、決算報告を作成します(会社法第507条)

区分 概要 金額
実費 収入印紙※1 2,000円
登記事項確認 1通あたり334円
登記事項証明書 1通あたり600円

報酬

税込

登記申請 33,000円
株主総会議事録 11,000円
登記事項証明書取得 1通あたり1,100円

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Q「会社を継続したい」

 株式会社は、一旦解散した会社を、再度継続することができます、

会社の継続の可否(会社法第473条)

通常解散の場合(株主総会決議、存続期間満了、解散事由の発生)

 清算結了まで可能

休眠会社のみなし解散

 みなし解散後3年以内

会社継続登記の費用

区分 概要 金額
実費 収入印紙※1 40,000円~
登記事項確認 1通あたり334円
登記事項証明書 1通あたり600円
印鑑証明書等 350円

報酬

税込

登記申請※1 66,000円~
株主総会議事録 11,000円
定款作成※2 22,000円
簡易文書作成 2,200円
印鑑届作成 8,800円
登記事項証明書取得 1通あたり1,100円

 

※1解散事由等、解散前の機関設定により異なります。

※2定款がない場合

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Q「資本金を増額したい」

 募集株式の発行手続きに関する会社法の条文は非常に複雑です。下記に、基本抑えておくべき条文を記載してあります。例外規定もありますが、大枠については、①募集事項を決定(第三者割当か株主割当か)②募集事項を通知③申込み④割当⑤払込みという流れとなります。

 増資の手続きにおいては、まず募集事項を、原則、株主総会において決定します(会社法第199条第1項第2項)公開会社(株式の譲渡制限の定めがない会社)においては、原則、取締役会において決定します(会社法第201条第1項)

募集事項(会社法199条第1項)

  • 募集株式の数
  • 募集株式の払込金額
  • 現物出資の場合はその旨及び内容、価額
  • 払込期日又は期間
  • 増加する資本金及び資本準備金

 会社は、既存の株主に対し、株式の割当を受ける権利を与えることができます。これを株主割当といいます(会社法第202条第1項)

株式の割当先

①第三者割当(原則)

②株主割当

株主は所有する株式の数に応じて株式の割当を受ける権利を有します(会社法第202条第2項)

 株主割当においては、会社法第202条内において、次のように定められています。

株主割当

会社は、株主に対して、募集事項のほか、以下の事項について定めなければならない(会社法第202条第1項)

 ①株主に対して、割当を受ける権利を与える旨

 ②申込期日

会社は、申込期日の2週間前までに、株主に対して、次の事項を通知しなければならない(会社法第202条第4項)

 ①募集事項

 ②当該株主に割当られた株式の数

 ③申込期日

 公開会社が、第三者割当において、取締役会の決議で募集事項を定めたときは、払込期日(期間の場合はその初日)の2週間前までに、株主に対して、募集事項を通知又は公告する必要があります(会社法第201条第3項)

 第三者割当においては、既存の株主に対して、新しく株主が増えることにより、自分の株式の議決権割合が相対的に減少することを通知し、仮に新株発行が不当なものである場合等に、発行をやめることを請求できる(会社法第210条)前提としての意味を待ちます。

募集事項の通知又は公告(会社法第201条第3項)

要する場合

公開会社の第三者割当

※但し、有価証券届出書、有価証券報告書等を提出している場合は不要

要しない場合

①非公開会社

②公開会社の株主割当

③公開会社が株主総会決議で募集事項を定めた場合

 会社は、株式の引受けの申込をしようとする者に、次に掲げる事項を通知しなければなりません(会社法第203条第1項)。

募集事項の通知(会社法第203条第1項)

  • 会社の商号
  • 募集事項
  • 払込場所

 引受けの申込をしようとする者は、会社に対して、次に掲げる事項を記載した書面を交付する必要があります(会社法第203条第2項)

申込み(会社法第203条第2項)

  • 氏名及び住所
  • 引受けをしようとする株式数

募集株式発行登記の費用

区分 概要 金額
実費 収入印紙※1

30,000円~

増加した資本金×0.007

登記事項確認 1通あたり334円
登記事項証明書 1通あたり600円

報酬

税込

登記申請※1 66,000円~
株主総会議事録 11,000円
各種書面作成 1通あたり5,500円
登記事項証明書取得 1通あたり1,100円

 

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