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成年後見制度(法定後見)

 成年後見制度(法定後見)は、認知症や判断能力が衰えた方のために、裁判所が法定の代理人を選任してくれる制度です
 本人の判断能力の度合いに応じて、成年後見人、保佐人及び補助人のいずれかの代理人が選任されます。どの代理人を選任するかは、裁判所が決定しますが、裁判所も申立書に添付する医師診断書をもとに、本人の判断能力の度合いを確認するため、申立時にはどの代理人が選任されるかの目安はつくことが通常です。
 また、代理人には、候補者を推薦することもできます。例えば、親御さんが認知症の場合に、その娘さんを候補者として推薦することが可能です。必ずしも推薦した候補者が選任されるとは限りませんが、通常はその意向に沿った選任がなされます。
 よく誤解されることとですが、成年後見制度は、本人を『法律的に』保護・支える制度であって、施設のヘルパーさんのように直接的なお世話をするものではありません。
 よって、通常は、本人が施設に入る必要があり、施設側と本人が契約する必要が生じた場合や、相続が発生し、本人を含めた遺産分割協議をする必要がある場合など、法律的な手続が予想される際に、この制度を用います。
 当事務所では、裁判所に対する申立書の作成から、ご希望があれば私自身の成年後見人等への就任までを含め、皆さまのお手伝いをさせて頂きます。

成年後見制度における代理人
1.成年後見人
  本人の判断能力が全くない場合に選任されます
2.保佐人
  日常的な買い物程度はできるが、不動産の売買、金銭の賃借等の重要な財産行為は一人ではできない場合に選任されます
3.補助人
  本人が、一人で重要な財産行為を行うことについて不安がある場合に、本人の同意を得て、本人を援助する人が選任されます

申立書作成

費用の目安

費用区分 概要 金額
実費  収入印紙  3,400円
 登記事項証明書
 (不動産ある場合)
不動産の数×600円
郵券 3,810円~
 戸籍謄本等

戸籍謄本1通あたり450円
改正原戸籍1通あたり750円
除籍謄本1通あたり750円
戸籍附票1通あたり350円
固定資産評価証明書1通あたり350円

登記されていない証明 1通あたり300円
報酬
(税込)
書類作成 110,000円~
登記事項取得 不動産の数×1,100円
 戸籍謄本等取得 2,200円~×1通

※1戸籍謄本等をご自身で収集される場合は、証明書等については実費のみ発生します。

必要なもの

本人の
・戸籍謄本等
・戸籍附票又は住民票
・登記されていない証明書
・本人情報シート
・診断書(医師作成)
・質問回答票
・不動産登記事項証明書
・固定資産評価証明書

・候補者の住民票
・親族の同意書

成年後見人等への就任

 最近は、成年後見制度も広く認知され普及してきました。一方、制度に関して色々と苦情を耳にするのも事実です。

 当事務所では、申立書作成から私の成年後見人等就任まで一貫してお手伝い致しますが、私一人のみでの就任を希望される特段のご事情がない限り、私と一緒に親族の方に後見人等に就任していただくことをお勧めしています。
 何故なら、第三者のみで業務を行うよりも、第三者のサポートは最低限に留め、ご家族あるいは親族間で本人のサポートを行う方が、ご家族や本人にとっても幸せだと思うからです。

 成年後見人は、財産管理と身上監護を業務とします。身上監護といっても、実際に本人のお世話を直接的にするわけではなく、必要な法律行為をすることがこれに当たります。例えば、入院の手続や施設との契約などです。

 成年後見制度を誤解されている方から、専門職の後見人が就いたが、お金だけ取られて何もしてくれなかった、との苦情を述べられたことがあります。制度自体が、後見人に求めているのは、あくまでも財産管理と法律上の手続であるため、その専門職後見人には何ら落ち度はありませんが、初めて制度を利用する(ほとんどの方が一生に一度しか利用しないでしょうが)一般の方からすると、そのように感じるのも無理がないのも事実です。

 であれば、本来、ご家族のどなたかが後見人に就任されるのが、最も家族にとっても良いのですが、裁判所は本人の財産が多いと、司法書士や弁護士等の専門職後見人の就任を求めてきます。これは、裁判所が親族後見人が本人の財産を勝手に消費してしまうことを懸念しているからです。

 しかし、専門職後見人が就任すると報酬が発生します。ご家族で十分財産の管理ができ、病院等の契約事も対応できるのであれば、親族後見人のみの就任を検討すべきです。

 よって、当事務所では、専門職後見人を選任する必要がある場合は、私と親族後見人の2名体制とし、後日、専門職後見人が必要がなくなった時点で、私が辞任することとしています。それ以降の専門職後見人に対する報酬をストップできます。
 もちろん、親族後見人は付けずに、私一人で、継続的に代理人として業務をして欲しいご希望ががあれば、そのご希望に沿う形でご依頼を請負うことも可能です。

成年後見人等の報酬

 成年後見人等への報酬は、年に1度、成年後見人等が裁判所に報酬付与申立を行うことにより、裁判所がその額を決定致します。
 報酬は、本人の財産の中から支払われます。