相続が発生すると、金融機関や証券会社、法務局などで手続が発生します。また、ときには、税務申告をしなければならない場合もあります。
残念ながら、こうした手続先は、各窓口が一元化されていないことから、相続人は、面倒であっても、それぞれの窓口に連絡をし、各書類を作成し、手続を進めていくこととなります。
司法書士は、このうち、税務申告を除き、ほぼ全ての手続を相続人に代わって行うことができます。しかし、東京や大阪といった大都市においては、一括して代行を依頼する方も多いと聞きますが、地方都市においては、各金融機関や証券会社といった手続は、相続人自ら行うことが多く(おそらく、首都圏のように電車を乗り継いだり、あるいは郵送などにより手続しなくても、簡単に近くの窓口に車で行くことができることなどが理由でしょう。)、不動産の名義変更を中心に司法書士事務所を訪ねる方がほとんどです。
では、そうした際、司法書士は、どのように選ぶべきでしょう。
司法書士は、相続の専門家です
依頼するからには、相続について深い理解と専門性を有した司法書士に依頼したいと希望されることでしょう。
この点、専門性という点においては、どの司法書士に依頼しても、実は差はありません。各司法書士により知識の幅に差があるのは事実ですが、少なくとも、一般的な相続手続において、その差が結果に影響することは、ほとんどありませんし、本来、専門家である司法書士が手続を担う以上、差が出ることはあってはなりません。
相続手続は、事案によって、種々様々のように見られますが、基本原則は同一です。被相続人、相続人、財産の状況は、各事案毎に様々ですが、全て、民法の相続法上の規定にしたがって、手続が処理されていくこととなります。
各司法書士は、資格業の中では、弁護士と並び最も高い専門性を有し、こうした民法上の規定に精通しています。
したがって、どの司法書士であっても、安心して相談できることを、まずはご承知おきください。
具体的にどの司法書士事務所に依頼すべきなのか
良い司法書士とは
全ての司法書士が専門性を有しているとしても、信頼がおける司法書士に依頼したいと思われることでしょう。しかし、元々の知り合いでもなければ、まずは、電話等で連絡をしてみなければ、どのような司法書士かは分かりません。例えば、一般的に「良い司法書士」とされているのは、以下のような司法書士かもしれません。
良い司法書士とは
【業務的側面】
- 専門性がある
- 実績が豊富
【人的側面】
- 親しみやすい、誠実
- 説明が明瞭、明確
- メリット、デメリットについての説明がある
- レスポンスが早い
- 業務の進行が速い
- 費用が明確
- 以下諸々・・・・
【事務所運営的側面】
- 司法書士本人が対応する(事務員まかせにしない)
- 司法書士本人に、すぐ連絡が取れる
このうち、「専門性」については、先に述べたとおり、どの司法書士であっても、大きく差はありません。例えば、訴訟手続など利害が対立する手続においては、担当する弁護士により、得られる利益に差が出ることも考えられます。しかし、相続手続に限っていえば、司法書士は、主に不動産の登記事務手続を委任されて行うこととなりますが、その大部分が定型的な業務である以上、各司法書士の専門性により、結果が異なることはありません。
また、「実績の豊富さ」についてですが、確かに、各司法書士事務所により、取り扱い件数に差はあります。当事務所では、開業以来300件弱程度の相続事案を処理させて頂いてまいりましたが、より多くの事案を処理している事務所もあれば、反対に、実績があまりない事務所もあります。数をこなしていることが、依頼する際の安心にも繋がるため、実績数は、司法書士事務所を選ぶ際の一つの基準にはなるでしょうが、これについても、定型的な業務が大部分を占める以上、それが絶対的な指針になるとも言い切れません。
結局のところ、やはり、司法書士事務所を選択するにあたっては、司法書士の人間性であったり、業務への取組み方が、最も重要になるかと思います。
司法書士を選ぶポイント
- 司法書士個人の人間的側面や業務への取り組み方を重視して選択する
親しみやすさ、誠実さ、レスポンスの良さ、業務進行の速さ、司法書士本人がしっかり対応するかなど
司法書士事務所の探し方とは
司法書士を選ぶ際には、司法書士の人間的側面を重視した方がよいと述べましたが、一般の方にとっては、司法書士は、馴染みがないことがほとんどです。
相続手続や不動産の名義変更などを希望される際には、一から司法書士事務所を探すこととなりますが、いざ探してみると、各市町村には、多くの司法書士事務所があることに気づかれると思います。一体、どこの司法書士事務所に相談すべきか、判断に迷うことも多いことでしょう。
よって、ここでは、具体的に、司法書士事務所の探し方ついて、ご説明いたします。
司法書士事務所を探す手段
- インターネット上の情報
- 電話帳(タウンページ)
- 知人からの紹介
- 司法書士会からの紹介
- その他(看板など)
知人から司法書士を紹介してもらう
司法書士を探す際に、最も信頼性が高いと思われるのは、知人からの紹介です。
ここでいう知人とは、親族や友人など、ご自身が信頼を置くことが出来る方のことです。金融機関、その他会社から紹介を受けることもあるかと思いますが、やはり、信用している知人からの紹介の方が、より満足のいく司法書士に巡り会えることが多いのではないでしょうか。
何故なら、紹介してくれる知人は、過去、その司法書士に、何らかの業務を依頼しており、その時に満足した結果が得られているため、その司法書士を紹介できるのです。より、高い確率で、信頼できる司法書士に巡り会えることと思います。
インターネット上の情報(ホームページなど)
司法書士を探す際に、知人からの紹介以外で、最も有用なのは、その事務所のホームページを見てみることです。
司法書士事務所のホームページを見ると、事務所の業務内容、特徴、各手続の料金などが掲載されおり、事前に、様々な情報を得ることができます。時には、その司法書士事務所のイメージや司法書士本人の人となりが、分かる場合もあります。
司法書士事務所のホームページは、当事務所のように司法書士本人が作成したものと、業者に作成を依頼したものがあります。司法書士本人が作成したホームページは、業者作成のものに比べると、デザイン面や洗練さでは、やはり劣ります。
一方で、司法書士本人が、自分の言葉で、世間に発信したい情報を掲載しているため、その司法書士本人の人となりや考え方といった、人間的側面についての情報も得られやすいかと思います。また、デザインも、先に述べたとおり限界はありますが、それでも、その範囲でのデザインや構成から分かることもありますし、司法書士本人の人柄などを判断する材料を得られるかもしれません。
司法書士本人が作成したホームページ
多くの事務所において、司法書士本人自身が事務所ホームページを作成しています。例えば、浜松市でいえば、業者作成のものが6割、司法書士自身で作成しているものが4割程度でしょうか。これは、他業種に比べ意外と多い数字だと思います。
司法書士の主な業務は、登記、裁判関係書類の作成などとなります。そのためには、法律知識ももちろん必要ですが、それを書類上で表現する文章能力も必要とされています。
つまり、司法書士は、普段から、文章を書くことを業としていることあり、そうした観点からも、多くの司法書士が、自分の言葉を、随時、ダイレクトに発信できる、本人作成によるホームページを運営している傾向があります。
私も、デザイン的には、「こうしたい。ああしたい。」といった希望はあるのですが、やはり、自分の言葉を、都度、発信できることから、自ら当ホームページを作成・運営しています。
まずは、気軽に電話してみましょう
各種登記、相続手続、会社設立などを希望する際には、どの司法書士に依頼されるかを決められたら、まずは、気軽に電話をしてみましょう。
司法書士事務所は、私も、自分が司法書士になってから気づかされたことですが、意外と敷居が高い印象を持たれているため、電話しにくい側面もあるかもしれませんが、あまり肩ひじ張らずに、気楽に、まずは連絡してみることが大切です。
電話をすると、当事務所のようにダイレクトに司法書士と話せる場合もありますし、一旦、事務員が電話に出る事務所もあるでしょう。いずれにしても、電話をするだけであれば、相談料などは発生しませんので、あとは、その電話対応の印象により、実際に依頼するか、相談するかを決めるのが宜しいかと思います。
事務所名 | くわはら司法書士事務所(桑原(桒原)司法書士事務所) |
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英文事務所名 | Kuwahara Shiho-shoshi lawyer Office |
代表者 | 桒原徹(桑原徹) |
住所 | 〒430-0911 静岡県浜松市中央区新津町245−1 |
TEL | 053-460-8256 |
URL | https://kuwahara-sihoushosi.com/ |
営業時間 | 平日9時~17時(土日祝時間外も対応可能です)詳しくはこちらの無料相談ページをご確認下さい |
業務内容 |
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