浜松市の区名変更の話し

 政令指定都市である静岡県浜松市は、平成19年に区制が施行され、現在は、中区、東区、南区、西区、北区、浜北区、天竜区の7つの区が存在しています。昨年来、区の数を減らす議論が活発となり、令和6年1月に現行の7区から3区に変更されることとなりました。

 浜松市のHPを見ると、区の再編によるメリットデメリットについてまとめたレジュメを見ることができますが、非常にざっくりとしていて、正直なところ、再編によるメリットが何なのかは分かりません。それに、平成19年からたった10年強で再編の議論が出るのであれば、当初の区割りの際に、十分な議論を尽くしたのかという点についても疑問が残ります。

 いずれにしても、決定事項であるため、浜松市では、いよいよ再来年の再編に向けて、色々と今準備をしているところですが、その一つに、区名変更があります。新しい区の名称をどうするかという問題です。

 先日、協働センターに行った際に、あるパンフレットが目に入りました。冒頭の画像のパンフレットです。

 3区に変更されるにあたり、現行の天竜区を除く区が南北で2つに分かれます。天竜区の名称はそのままですが、残りの2つの区の名称は公簿されることになったようです。実は、区の再編自体にあまり興味がなかったため、このパンフレットを見るまでは、そのこと自体知りませんでした。

 パンフレットによれば、「募集期間は8月25日まで」となっています。応募できるのは、「浜松市に住んでいる小学生以上の人」のようです。このパンフレットを見て、私自身は、応募する気はありませんでしたが、小学生の息子に応募させようと、ふと思いつきました。

 私の息子は、小学5年生ですが、最近は任天堂スイッチばかりしています。最近の小学生のほとんどはスイッチを持っていて、友達と遊ぶのも、昔のように外で遊ぶのではなく、誰かの家に行き、そこでスイッチなどのゲームをして遊ぶのが主流です。私の頃の夏休みといえば、外で友達と遊んだり、自由研究をしたりすることが多かったのですが、随分時代は変わったなと実感します。

 私自身もゲームはすることもあり、決してゲームをすることが悪いとも思いませんが、少し心配になったので、「夏休みの自由研究はやらないの?」と尋ねると、「やってもやらなくてもいいんだよ。今年はやらない。」との返答でした。

 まだ小学生なので、そこまで気にすることもないのでしょうが、何か自主的にやってくれればと感じていたところ、この募集が目に入り、ちょっとした自由研究的なものになるかもしれないと思ったのです。新しい区の名称を考える中で、自分の住んでいる地域の特色や文字の持つ意味などについて考えたりすることで、成長してくれればよいと考えました。

 息子に、このパンフレットを渡したところ、案の定「えー。」という予想とおりの反応でしたが、なんとか納得させて、「地域の特色とかを考えてごらん。」、「あんまり長いのはダメだよ。」、「誰でもわかる簡単な漢字か平仮名で。」、「辞書を引くのもいいかも。」などアドバイスをし、一日考えさせた結果が冒頭画像上の区名案です。

 区名というのは、日常においても、住所を記入する場面も多いことから、漢字であれば精々2文字まで、平仮名であっても3文字位まで、漢字の場合は、誰でも容易に書ける簡単な文字であるべきです。また、中区、東区といった方位を示す漢字を除けば、その地域の特色を文字で表現する必要もあります。

 そのため、大人であっても、新区名のアイデアを考える作業は、簡単ではありませんが、そんな中、子供ながらに頑張ってアイデアを出してくれました。実際に採用されるのは難しいのかもしれませんが、区名が変更になるというのも、そう頻繁にあることではないため、息子にとってちょっとした良い経験になったかもと感じています。