ワードプレスを使うと世界標準について考えさせられます

 ホームページリニューアルのために、ワードプレスをインストールして悪戦苦闘していますが、5日が経過して、ようやく使いこなせるようになってきました。とはいっても、まだまだ初心者には変わりありませんが、以前のホームページビルダー(以下「ビルダー」)に慣れていた自分が、少しづつではありますが、ワードプレスに慣れてきている感じです。

 ビルダーは、巷での評判はともかく、私自身にとっては、非常に使い勝手が良いソフトでした。いわゆるビジュアル編集もでき、かつ、HTMLもいじれて、CSSも変更できる。もちろん、画像等のフリー素材もある。このソフトを入れるだけで、ホームページ作成に必要な全ての機能が揃うという意味では優れた製品だと思っています。

 それでもワードプレスに移行しようと決めたのは、ビルダーでは、どうしてもデザイン面で限界があるためでした。CSSもいじれるため、IT知識の高い方であれば、どのようにでもリデザインできるでしょうが、私のように趣味程度の力量しかない人間にとっては、さすがにそこまではできないし、仮にできたとしても、仕事の合間や余暇を使って作成している限り、完成まで相当な時間を要することが明らかだったからです。

 ワードプレスをインストールした時点では、全く知識がなく、とりあえずやってみようという感じで始めました。どうやらテーマというものをまず決めて、それもインストールする必要があるらしい、という程度のことしか知りませんでした。

 ウェブを見て知識を仕入れて、テーマを決めて、入れたはいいけど、今度は、どうやらプラグインとかいうものを使う必要があるということが分かり、さらによく分からないけどウィジットとかいうものもあるらしいと知って、なんか面倒だなというのが第一印象でした。

 そして、色々インストールしてみて、ウエブ上の先見者達のいうとおりにやってみたのですが、何故かそのとおりにならない。正直なところ、あまりに思うようにできないので、やっぱりビルダーで作り直そうか、とかさえ考えていました。

 とにかく、そんなことを繰り返して、現在に至り、ようやく、完全に使いこなせないまでも、ホーページの体裁を整えるくらいのことはできるようになってきました。

 ビルダーは、ご存知のとおり日本のジャストシステムという会社の製品です。日本の製品というのは、至れり尽くせりで、その製品を購入すると、それ単体で有用になり得ます。日本社会自体が、ある意味人に優しく、悪く言えば過保護である傾向もあってか、一製品として完全でなければ、製品として良い評価を得られません。もちろん、「製品を徹底的に作りこむ」、こうした性質があったからこそ、80年代に日本製品は世界を席巻することができたわけですから、決してそれは悪いこととも思いません。

 一方ワードプレスを見てみると、ワードプレス自体をインストールしても、それ単体ではデフォルトのテーマもありますが、決して万能のホームページ作成ツールではなく、むしろ中途半端なツールに過ぎません。あくまでも、デザインに優れた高機能テーマやプラグインといった拡張機能ツール、そしてそれに伴い使えるようになるブログパーツツールであるウィジットを駆使してこそ、高機能の製品として成立します。

 むしろワードプレスは、器に過ぎず、世界中の有志が作成したツールによってこその製品なんだと感じています。ビルダーに限らず、日本製品に慣れている人間からすると、正直最初は戸惑いましたが、自由に機能を拡張できるのがワードプレスの強みであり、その特徴があるからこそ、今、世界中に浸透しているのでしょう。

 IT関連製品の分野では、世界との垣根がなくなって随分経ちますが、ワードプレスのように、自由に拡張できるものが評価が高くなり、世界標準として定着している気がしています。ワードプレスの皆で作ろう的なスタンスは、日本人のこれまで持っている資質とは若干異なるものを基礎としているのかもしれませんが、おそらく、将来的には、IT分野に限らず、多くの分野においてこうした傾向が高くなるのでしょう。