【浜松市】相続登記の義務化Q&A【司法書士】

相続

 5月29日付ブログにおいて、相続登記の義務化について投稿しました。「不動産を相続した者は、相続を知ったとき(死亡を知ったとき)から3年以内に登記をしなければならない。登記をしない場合は、10万円以下の過料に処せられる」という規定が、今後令和6年以降にスタートします。

 より詳細な説明は5月29日付ブログ「相続登記の義務化」で説明しています。

相続登記をしなければならない人

  • 相続の開始を知った者
  • 不動産の所有権を取得したことを知った者

遺産分割未了時における相続登記の義務

 前回のブログにおいて、3年以内に登記をしなければならない人の定義において、若干不明な点がある旨を述べましたが、9月21日付法務省HP掲載資料を確認したところ、その不明点が解消されましたので、再度投稿します。

不明点

  • 実務上は、遺産分割協議による相続登記がほとんどを占める
  • 遺産分割協議は、死亡後、数年、ときには10年以上後に実施されることもある
  • 死亡日から遺産分割協議までの間は、相続人が法定相続分の割合で共有している状態である(確定的に所有権を取得しているわけではない)
  • とすれば、遺産分割協議をするまでは、不動産の所有権を(確定的に)取得していることにはならず、相続登記の義務はない?
  • しかし、そう解釈すると、本制度の意義が崩れてしまう

 前回のブログにおいて、やはり遺産分割未了であっても、本制度の趣旨的には、登記の申請義務があるのではないかと述べましたが、以下の法務省掲載資料により、そうである旨が明確となりました。

 出典元:法務省HP「令和3年民法・不動産登記法改正、相続土地国庫帰属法のポイント」 

相続登記

明確となった点

  • 死亡の時点より、各相続人は、(法定相続分による共有状態であっても)不動産を取得したことを具体的に認識する
  • よって、各相続人は、遺産分割未了であっても、3年以内に相続登記をする義務がある。

 しかし、遺産分割協議未了の状態、つまり、法定相続分で登記をすることは一般的ではありません。法定相続分で登記をしても、後日、遺産分協議を行い、法定相続分と異なる内容となった場合、またそこから3年以内に登記をする義務が発生します(改正不動産登記法第76条の二第2項)

 したがって、すぐに協議がまとまらなくても、3年の間に遺産分割協議をすることができる可能性があるのであれば、急いで登記をする必要はありません。

 また、先に述べたとおり、実務上は、相続開始から数年後、ときには10年以上後に遺産分割協議をすることも珍しくないため、本制度においては、相続登記の義務に代わる制度も用意されています。

 

相続人申告登記制度

 この制度は、遺産分割協議の開催が、相続開始から3年以降になると想定される場合に、法定相続分で登記することに代えて、法務局に対し、相続人である旨の申出をすることができる制度です。この申出がされると、法務局が職権で登記を申請します。職権登記は、通常の登記より簡略化された手続となります。

 この申告をすることで、3年以内に登記する義務を果たすことができ、もちろん過料も発生しません。なお、この手続きは、相続人一人で行うことができます。

【一般の方向け】相続登記義務化Q&A

 これまで説明してきた内容をもとに、一般の方向けのQ&Aを作成しました。参考にして頂ければと思います。

相続登記の義務化はいつからですか?

令和6年からスタート予定です。

相続登記の義務化とは何ですか?

相続開始を知り、不動産を取得したことを具体的に認識したときから3年以内に登記申請しなければならない義務です。

不動産を取得したことを具体的に認識したときとは、遺産分割協議をしたときのことですか?

いいえ。被相続人の死亡を知り、相続財産に不動産があることを認識したときを指すと考えられます。したがって、遺産分割協議が未了であっても義務は発生します。

相続登記の義務を履行しない場合、どうなりますか?

10万円以下の過料が発生します。

遺産分割協議未了の状態で相続登記をすることはできるのですか?

法定相続分で登記をすることができます。しかし、後日、遺産分割協議を行い、法定相続分と異なる内容となった場合に、またそこから3年以内に登記する義務が発生します。したがって、3年以上後に遺産分割協議を行うことが想定される場合は、法定相続分で登記をするのではなく、「相続人申告登記」をすることをお勧めします。

相続人申告登記制度とは何ですか?

相続開始から3年以内に遺産分割協議を完了する見込みがない場合に、法定相続分で登記をすることに代えて、この制度を用いることで、相続登記の義務を果たすことができます。

相続人申告制度はどのように手続きするのですか?

法務局に対し、自分が相続人である旨を申告します。他の相続人の関与は必要ありませんので、一人でも申告できます。必要書類は、自分が相続人であることを示す戸籍謄本等です。

施行日(令和6年)以前に発生した相続についてはどうなりますか?

施行日(令和6年)以前に発生した相続についても、登記義務が課されます。要件(相続の開始を知り、かつ、不動産の所有権を取得したことを認識)を満たす限り、施行日より3年以内に相続登記をしなければなりません。

未登記建物についても対象ですか?

未登記建物については、直接の対象としていませんが、未登記建物については、元々登記することが義務とされています。詳しくは、こちらのブログをご覧ください。

他の注意すべき改正点はありますか?

住所・氏名変更登記も義務化されます。変更から2年以内に登記をしない場合は、5万円以下の過料が課されます。

その他ご質問等があれば、浜松市中区のくわはら司法書士事務所までお気軽にお問合せ下さい。

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